公開 2023.12.05 更新 2024.12.10Professional Voice

「できない」ではなく「できる方法を考える」
Authense社会保険労務士法人代表 桐生由紀が覚悟を決めた理由

インタビュー

Authense社会保険労務士法人の代表をはじめ、グループの経営にも関与する桐生 由紀。
Authense法律事務所に1人目のバックオフィス担当として入所したのは15年前。その間グループの成長を支え、牽引してきた。

急成長の裏では数々の課題にも直面してきたが「できない」ではなく「できる方法を考える」ことが信条と語る。

その背景にはAuthense入所にあたっての覚悟があった。

目次
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管理部門担当として何でもやった1年目

Authenseでの現在の役割を教えてください。

Authense社会保険労務士法人の代表としてクライアントのご支援をしているほか、Authense法律事務所の経営、グループ全体の運営にも関与しています。

また、昨年資本業務提携した株式会社ユニバーサルスポーツジャパンの取締役として、バックオフィスの設計にも関わっています。

Authense法律事務所に15年前に入所されています。入所した当初の様子はいかがでしたか?

入所した当初、Authense法律事務所には弁護士とパラリーガルしかいませんでした。私は1人目の管理部門担当です。

元々お知り合いがいたのですか?

いえ、求人媒体に応募しました。経理担当を募集、という温度感の求人だったのですが、入ってみたら何でもやる感じでしたね。

当時はオフィスというよりマンションの一室に近いような雰囲気でした。

今は社会保険労務士法人の代表も務められています。組織が成長する過程で労務のスペシャリストとしての道を志向されるようになったのでしょうか。

最初は弁護士やパラリーガルがやる仕事以外、何でもやりました。入所して数日後には、弁護士ドットコムの管理部門も担う事になり、1年ほどは管理系の業務を全て担当していました。

私が入ったときはAuthenseのメンバーは30人くらいでしたが、1年間で100人ほど増員したんですよね。案件が多すぎて、採用をし続けないと間に合わない状況です。

毎月10人くらい入所して、あっという間に100人を超えて。その頃から徐々に組織を作る必要性が出てきました。

月次の締め作業に加えて入居していたオフィスの増床作業、全面移転の準備もして・・・。最初の1年間は何をやっているのかよくわからない状況でした。

スペシャリストになりたい、とか考えるような余裕は一切なく、とにかく幅広く何でもやる、前に進めることをやっていました。

インタビュー_桐生 由紀

想像するだけでめまいがしそうな状況ですね。

よく辞めなかったと思います(笑)

その後、2010年12月に事務所を分割したタイミングで人数が減少し、改めて人を増やすことになり、少しずつ総務、経理、人事の役割を自分から切り離していきました。

入所して4年ほど経った2012年頃、管理部長をしていたときに徐々に自分の進む道を考え始めました。3人目の子供が生まれるタイミングだったので、考える時間も少しありましたね。

人事労務の領域で専門性を磨いていこうと考えられたのはなぜですか?

管理部門を幅広く経験し、他の方に移譲をした後に残った領域は経理財務系と人事系だったんですよね。

人事系は経理財務に比べて解がない領域です。

労働法を理解しても現場の仕事は回せません。解がない領域の仕事の方が自分としては面白かったのです。

また、自分が歩んできた人生を考え「人事の方がいいかもしれない」という直感がありました。

自分が経験すると、他の人の気持ちがわかるようになるじゃないですか。私はそれなりに複雑な人生を経験してきたので向いていると考えたのです。元榮も後押ししてくれました。

「できません」とは言わない 「どうやったらできるか」を考える

事務所の成長に伴い、かなりハードな時期も経験されてきたと思うのですが、乗り越えられた原動力はどこにありますか?

Authenseに入所する前は専業主婦の期間が7年あり、仕事のブランクがある状態で就職活動をしていました。しかも7歳と3歳の子供もいるシングルマザーでした。今の採用市場でも厳しい状況です。

履歴書も相当な数を送っていましたが不採用が続きました。

周囲からはアルバイトで働くことも勧められましたが、私の中では正社員で働くことが絶対条件でした。

尋常ではなく大変な就職活動だったので、覚悟を持ってAuthenseに入所しました。

なぜAuthenseに応募されたのですか?

本当は土日休みで残業があまりない、安定した企業の事務職がよかったのですが、途中で考え方が変わりました。

大学を卒業して働いていた会社は大手企業だったのですが、同じような環境に入れたとしても楽しいのだろうか、スタートアップベンチャーのように、これから成長するところに入った方がリスクは高いけど面白いかもしれない。

そう考えてAuthenseに応募しました。

インタビュー_桐生 由紀

Authenseの決め手はどこにありましたか。

元榮の自信がすごかったんです。

Authenseも弁護士ドットコムもまだまだこれから、という状況で何もなかったのですが、この人と一緒にやるのは面白いかも、と感じました。

自分の人生やキャリアを再構築しようとしている自分からすると、Authenseに入ったのは大きい転機で、どんなに大変でも辞めたり、諦めたりする気持ちは起きなかったです。

桐生先生の強さやしなやかさの理由が伝わってきます。その上で、お仕事をされる際に譲れない点があれば教えてください。

Authenseに入って最初の頃に意識していたのは「できません」と言わないことです。

これは今でも心がけています。元榮からの無茶ぶりがあるんですよね。

「無理です」って言ったら仕事がなくなってしまうので、「どうやったらできるか」をまず先に考えています。

思い出に残る無茶ぶりエピソードを教えてください。

入社して1年経った頃の無茶ぶりです。

事務所の全面移転をするタイミングだったのですが、大きな新規プロジェクトを元榮が契約してきまして。

今までやったことのない領域の案件で、2週間後に開始するから90人の事務スタッフを採用してほしいと言われました。

2週間で90人を採用するのですか?

はい。もうクライアントと契約しているから人を集める以外の道はありません。

オフィス移転をしているタイミングだったので、段ボールに囲まれている中で会議室に呼ばれて。2週間で90人採用してほしいという話をされました。

どうやって採用されたんですか?

面接を何回もしている余裕がないので、すぐに求人媒体で説明会と選考会の案内をしました。

説明会に直接来てもらう形にして、その日にならないと誰がやってくるか全然わからない状況だったのですが、結果的には100人以上集まりました。

インタビュー_桐生 由紀

すごいですね。

ギリギリのスタートでした。

このプロジェクトは始まってからも過酷で、タイトなスケジュールの中、全員ギリギリの状況だったので、最後は元榮も手を動かしていましたね。

結果的にはこのプロジェクトで得た資産が、事務所の次の成長にもつながりました。

この結果を見ると、一見無理に見える案件でも安易にできないと考えるのではなく、やる方法を考えるべきだと思いますよね。

今でも大切にしている考え方です。

スタートアップの経験があるから提供できる価値

社会保険労務士法人のクライアントの方からはどのような相談が寄せられますか?

採用に課題を抱える企業の方は多いです。

今の社会情勢を考えると、労務の部分がクリーンなことは当たり前になっています。「残業はして当然」みたいな昔の感覚を引きずったままだと採用できません。

また、採用後の教育・育成については求職者側も重要視しています。

この環境で自分は成長できるのか、スキルを身につけられるのか、と考えている人も増えています。これはベンチャーでも避けて通れません。

人の入れ替わりが激しいベンチャーも多いですが、人が抜けていく会社は採用してから現場に送り込んで終わりなんですよね。

インタビュー_桐生 由紀

採用や教育の課題に対して、どのようにご支援されていますか?

Authenseではここ数年教育に力を入れていて、所内のナレッジをクライアントの皆様にも提供しています。

教育に関する取り組みを始めることで、従業員の意識も変わります。

特に若い方の成長意欲は高いですね。

「最近の若い人は」みたいな論調も見かけますが、理由のない長時間労働が嫌なだけで、長期間働きたい、キャリアアップをしたいと現実的に考えているのです。

このまま今の仕事を続けた先に何があるんだろう、と漠然とした思いを抱きながら働く人もいますが、学ぶ場所があったり、キャリアプランが見えてきたりすると変わってきますよね。希望も出てきます。

桐生先生がAuthenseの採用や弁護士ドットコムの管理部門を立ち上げてこられた経験も活きていますか。

スタートアップの人事や管理部門にいて成長を経験してきたので、企業の方の感覚を理解できる部分はありますね。

企業の方の立場になると、レスが早く返ってきたり、質問したことに対して法的な解釈だけでなく具体的な方法まで回答されると安心できます。

また、採用や人事制度構築の実務経験がない社労士の方もいますが、私は幅広く経験しているので壁打ちをしやすいと思います。

実際、顧問契約をしている社労士の方には手続面のご相談しかできない、という事で私共に切り替えていただくこともあります。

社労士事務所に求める役割が変わってきているのかもしれません。

最後に今後の展望についてお聞かせください。

社会保険労務士法人としてはスタートアップ、IPO準備企業から大手まで、顧問企業を拡充していきたいです。
また、Authenseでは税理士法人、弁理士法人とグループ内での法人が増え、ワンストップでご依頼をいただく顧問企業も増えています。
グループ全体でサポートできる体制を強化することで、メリットが出せるようにしていきたいですね。

インタビュー_桐生 由紀

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Authense 社会保険労務士法人 
代表

桐生 由紀

Authense社会保険労務士法人は、成長を目指す経営者様に寄り添い、従来のサービスの枠にとらわれない新しい形のサービスを提供いたします。 さらに弁護士や、行政書士、コンサルタント等他のプロフェッショナルとの連携によりAuthenseグループでのトータルサポート体制を整えており、信頼のおけるビジネスパートナーとして企業の更なる発展に貢献します。

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